疲れた。
五泊六日の旅行の護衛。しかも囲っている妾みんな引き連れてのハーレム旅行らしいが付き合わされるこっちはバカバカしくて白ける。しかも一人貸そうかなんてアホみたいなこと言いやがって。写輪眼のカカシの抱いた女は癖になるらしいってどこの情報だぁよ。誰がお前のお古なんかいるか。そのくせ護衛だ?怖いのは本妻だろ。
そんなバカバカしい任務に往復入れて一週間行ってきて文句垂れ流したら二日休みをもらえた。
こう疲れた日はベタ惚れされてよく使える恋人のところで休むのが一番だ。
心なしか浮き足立つ。
むしゃくしゃするからこの激情を思いっきりぶつけてやろう。
まず帰った瞬間その場で押し倒そう。居間なら燃えるね。ちゃぶ台に押し倒してバックから犯そう。畳に彼の精液ぶちまけて、尻からオレの精液垂らしながら掃除させよう。気が向けばそのままもう一回シてやる。拭き掃除が終わらないな。拭いても拭いても汚してやろう。
そしてオレの精液はそのままにさせて裸エプロンでメシを作らせよう。垂れないよう尻に力入れながら料理するのをビール片手に鑑賞するか。メシを運ぶ度に尻を叩いてやろう。真っ赤な顔をしながら悶絶する姿を想像するだけで腰にクる。
その後は風呂だな。最初から一緒に入るのもいいが途中で乱入するのもいい。慌てふためく彼を力ずくで抱くのは楽しい。湯船でヤると熱い熱いと泣きながら縋ってくるだろう。
風呂から上がった後は裸のままベッドに直行だ。足を広げさせて、散々苛めてやった穴をじっくり観察しよう。赤く熟れた穴を弄りまくってもっとほしいと泣かせよう。
最低でも、五回だな。
淫乱で従順で献身的な恋人のことだ。
きっと溜まってウズウズしているだろう。淫らに泣く姿を思うだけで自然に笑みが浮かぶ。
彼のアパートの下まで来て明かりがついていることを確認する。
ボロいアパートだ。階段の一部は剥げているしギシギシ音がする。こんなところに暮らすなんて考えられないが、狭い部屋は何となく居心地がいい。おかげでなんとなくずるずると同棲している。
何となく驚かせようと玄関からではなく、窓から侵入する。寝室に入ると誰も居らず気配は居間からあった。
よし、押し倒そう。
当初の計画通り気配を消しながら彼に近づく。彼は呑気に採点をしていた。
あぁ、アンタの大事な生徒のテストに、アンタの精液ブッかけるのもいいね。
そしたらきっとアカデミーで真っ赤な顔してオレとのことを思い出すだろう。
腕が止まった一瞬をつき羽交い締めにする。
「っ!!」
「ただいま、イルカ」
強ばった体も声をかければくにゃっと柔らかくなる。オレだけに反応するよう躾た体だ。思い通りの反応に気を良くしてそのまま項に喰いつく。
ガリッと歯を立てて吸い付いたそこは赤黒く腫れ上がった。
可愛いオレのイルカの印。
これはオレの所有物なのだ。
そう実感できてとてもイイ気分になる。
「カカシさん!」
「このままヤらせて」
乳首に手を回し捏ねくりまわす。やっ、やっと悲鳴じみた拒否の声が聞こえたが無視した。これはイルカのポーズなのだ。嫌がって煽る、淫乱なイルカの手なのだ。
「ほら、久々のオレだよ。しっかり奉仕しな」
嬲るぐらいの言葉攻めが好きなイルカ。言葉に反応したのかビクッと大きく震えた。
可愛いーと笑いながら手を進める。このまま嬲りながら挿入せずにイかせてやろう。そしてその淫靡な姿を舐めるように見ながらいたぶろう。
加虐心がクツクツと沸き上がり笑いが止まらない。どちらにしても一週間ぶりのイルカだ。止めるつもりもない。
このまま五回してやろうか。
ペロッと体を舐めながら当初の計画以上辱めを考え出す。
「待って、カカシさん待って!」
「イルカ、久々だもんね。いっぱい出そうか」
「ダメです!待って!」
いつも以上に拒否するイルカはよっぽどめちゃくちゃにしてほしいらしい。
相変わらず煽るのが上手だ。
チュッチュとキスをしながらズボンに手を掛けーー
「ぶゃくしょん、ちきしょー!!」
「・・・・・・」
「あーこりゃまいったこのやろーめー」
萎えた。
普通こういうときそんなクシャミするか。
まぁ普段から同じようなクシャミするからわざとではないと思うが。
「あーもーカカシさん。窓から入りましたね!俺今花粉症で辛いんですから」
ぷりぷり怒りながら窓を閉めた。そうか、それが原因だったか。くだらないこと思わず玄関から入ればよかった。
もうなんか萎えまくってその場で寝転ぶ。
「カカシさん、メシは?」
「ん」
「今作りますから先お風呂どうぞ」
「今いい」
あとでアンタと入るから。
その計画は崩したくない。
イルカは咎めずそうですかと笑いながら立ち上がり割烹着を着た。
可愛い。
けど萎える。あの姿みて襲おうとは思わない。なんだか家庭的すぎて母親を連想させる。自身の母親の顔など全く覚えていないが。
なぜエプロンではないのだろう。前にそう聞くと男たるもの割烹着です!と力説された。
男は関係ないと思う。
イルカのメシは美味い。
ここ一週間護衛任務の際、高級な物を一緒に食べさせられたがあんなものよりもイルカのメシの方がうまい。
まっ、イルカがオレの好みに作ってくれているからだけど。そのぐらいイルカはオレに惚れている。ベタ惚れなのだ。
「イルカ」
名前を呼ぶとニッコリ笑いながらこちらを見た。
「はい」
「オレのこと、好き?」
そう聞くとスッと表情を変え、真剣な顔になる。
「好きです。貴方が俺の全てです。貴方が望むことなら俺の命に代えても遂行しますし、全てを敵にしても構いません」
「ん」
「できることなら貴方の代わりに任務を遂行し、貴方には何の苦しみもない生活を送らせたい。無力で無価値な俺ですみません」
綺麗な姿勢のまま頭をさげた。
きっと。
きっとこの頭をボールのように蹴飛ばしても、虫けらのように踏みつぶしても、彼は喜んで無抵抗でさせてくれるだろう。
なぜならオレを愛しているから。
自身の命などなんの価値もないと思うほど。
「無価値じゃないデショ?イルカはオレのだから」
「勿論です。髪の毛一本たりとも、全てカカシさんのモノです」
「フフッ」
いつも通りのセリフに、よくできましたと頭を撫でる。
従順で忠実な犬のようだ。
イルカにとってオレが全てなんだ。
「何か、ありました?」
不安そうに見上げる。
彼の愛を疑っているわけではない。
ただ、感じたかっただけだ。
「んーん。ないよー。ちょっと聞いてみたかっただけ」
イルカの、愛を。
命を。
「ごめーんね。メシ食べよ。イルカのメシは美味いよ」
「良かったです」
真面目な顔が消え、ふんわりと笑った。
メシが終わると再び風呂に促された。
「イルカと入るから、いい」
「俺はもう入りました」
「はぁ!?」
せっかくイルカと入ること楽しみにしてたのに。
「カカシさん、今何時だと思ってるんですか?0時ですよ。俺明日も仕事ですから普通に寝てる時間です」
「メシは待ってたじゃない」
「夜食です」
キッパリと言われた。夜食にしちゃモリモリ食べ過ぎだ。
太るぞ。
オレは気にしないけど。
恨めしそうな目をしていると、イルカはいいからいいからと風呂に押し込まれた。
仕方ないので一人で入る。
当初の計画は全てダメになった。もういい。上がったら速攻してやる。
温めなおされた湯船に浸かりながら決意する。
イルカ。
淫乱で従順で献身的な、オレの恋人。
アレを手に入れるのは本当に苦労した。
なぜならイルカは。
イルカは生きながら死んでいた。
出会いは受付だった。
今まで部下か、火影様直々に受けていたので受付など初めて来た。
ちょうど空いている時だったのか閑古鳥が鳴いていて、その場にはオレと受付二人しかいなかった。
何の気なしにイルカの前に並ぶ。最初は気がつかなかった。普通に作業をしていた。
報告書をチェックされ「問題ありません。お疲れ様でした」と顔をあげた瞬間、目が合った。
彼の目は真っ黒で塗り潰され、底知れぬ闇しかなった。
よく見ると人の良さそうな笑みは能面じみていて気持ち悪かった。
たかが中忍、しかも内勤の男が、こんな作りモノの顔しかできないなんて。
なんだかひどく腹が立ってその場で罵った。
隣の同僚はひどく怯えていたのに、イルカは能面な顔を隠そうとはせず光のない目でこちらを見ながら淡々と謝ったのだ。
気に入らない。
気に入らない、何もかも。
どうしてそんなに苛立つのかわからなかった。
それから会う度に、あの目を顔を見る度に罵った。罵倒せずにはいられなかった。
何を言っても何度言っても変わらないその態度に焦れて、無理矢理飲みに誘った。断れないのを知っていて酒をたらふく飲ませ本音を誘った。
彼は能面のような顔で笑いながら言った。
「生きる意味が、分からないんです」
「俺は空っぽなんです」
くだらない。
くだらなさすぎる。
ムカついたのでそのまま店から連れ出しオレの家へ押し込んだ。戸惑うイルカを押し倒して何度も何度も彼のナカに、ありとあらゆる方法でオレの精液を注いだ。
腹の中も口の中も体中精液でベトベトになったのを見下ろしてようやく満足した。
「空っぽならオレが埋めてやる」
彼は彼自身をいらないと言ったんだ。
彼自身がどれほどの価値があるのか知らないで。オレがどれだけソレを渇望したのか知らないで。
オレは彼がどれほど魅力的なのか知っている。
あの目が光ればどれだけ魅力的になるのか知っている。
だから拾った。
拾ってオレのモノにした。
「生きる意味がないならオレのために生きな。イルカが生きる意味はオレがいるから」
そう言ってそれが自覚するまで何度も何度も抱きしめ、囁き続きた。
イルカは能面のような顔がそげ落ち、ぼんやりとした顔をしながらも、精液でいっぱいの腹を撫でながら目に小さな光が灯ったのをオレは見逃さなかった。
あれから調教と洗脳を繰り返し、イルカはオレのモノだと自覚させた。最初は貴方の犬でいいと言い張ったが、生憎オレは獣と交わる気はない。散々討論し、恋人というところでお互い妥協した。
能面のような顔はなくなり、段々と表情豊かになっていくのをまるで丹精込めて育てた植物のように見守った。自然に笑うイルカの顔はなんとも言えなかった。
偶に目が闇に染まりそうになると、オレは腹いっぱいになるまでイルカを抱いた。そうして終わったあと大事そうに腹を撫でるイルカはどこか幸せそうで、まるで妊婦のようで神々しかった。
イルカの自然の笑顔が二人の子どものような、二人で作り上げたかけがえのないものだった。
風呂から上がるとイルカは晩酌の用意をしてくれていた。
今日はとことん焦らすらしい。まぁまだ朝まで時間はたっぷりある。焦らされるのも悪くない。
「カカシさん、髪濡れてますよ。あとちゃんと服を着てください。湯冷めします」
「イルカがして」
「もう。しょうがないなぁ」
ブツブツ文句言いながらもドライヤーと着替えを用意してくれた。
服なんてベッドに入ればいらないのに。
ドライヤーのスイッチを入れ、髪を撫でられる。
「カカシさんの髪はサラサラですね」
「好き?」
「はい。勿論」
クスッとイルカが笑った。
「まるで天使みたいですね」
ブォーとドライヤーの音だけが聞こえる。
天使。
天使だって。
このオレが天使のように見えるだって。
馬鹿な奴。
オレがどんな奴か知ってるくせに。
オレがどれだけ手を汚しているか知ってるくせに。
悪魔、鬼、死神・・・。
そう呼ばれた名は少なくない。きっとこの先も侮蔑と恐怖をもって呼ばれるであろう。
そんなオレに、天使だって。
めっちゃめちゃにしすぎて脳まで腐りきってしまったのだ。
本当馬鹿な奴。
ドライヤーを片付けているイルカを尻目にグビッとビールを飲んだ。
苦味が口いっぱい広がり、想いと共に飲み干す。
偶に。
例えばこんな時に、ふと思う。
イルカは、オレの恋人でいいのかと。
あの生きながら死んでいたときよりもマシだろうとは思うが、それは所詮独りよがりだ。
傍から見れば前の方が幸せだったと言われれば、頷かざるを得ない。
イルカはオレみたいな奴が手を出してはいけなかったモノかもしれない。オレのせいで彼の人生を狂わしたかも知れない。
例えば。
そう例えば、オレが死んだとき。
彼はきっと笑いながらクナイで喉を切り落とすだろう。
何のためらいもなく。
それが良かったかどうかなんて分からない。
分からない。
「カカシさん。今日のツマミどうですか?珍しいの頂いたんですよー」
呑気そうな声が聞こえる。
「うん。美味い」
「でしょー!」
イルカは本当に幸せそうに笑った。
片付けもそこそこにイルカをベッドに押し倒す。
「イルカ」
沸騰しそうな頭を抑えて、手で彼の体を弄る。
んんっと気持ちよさそうな声をあげながらも、イルカはオレの腕をとった。
「カカシさん、大事な話があります」
「なに」
今、この状態で言われても困る。
早くヤりたくて、イルカを急かす。
「実は今日生理で」
「アンタ男デショ」
「つわりがひどくて」
「だから男デショ」
「持病の痔が・・・」
「オレがそんな下手くそなわけないデショ!何?」
「実は明日体術の授業が」
たはーと頭をかいた。
「分かった。じゃあ一回で終わらすから」
「いえ、今日はダメです」
まさか、この状況でおあずけ宣言されるとは!
「はぁ!?一週間ぶりの任務明けなんだけど!?」
「すみません!明日っ!明日は明後日休みもらってますから好きなだけしても、大丈夫です!」
こうなればイルカは頑固だ。絶対譲ってはくれない。仕事以外で拒否されないのだから、これ以上詰め寄ることはしない。一回無理させてぶっ倒れたことがあるからしないと誓った。オレはそこまで鬼畜ではない。
「イルカはオレと仕事と、どっちが大切なの」
「んー・・・・・・」
「もういいっ!」
プイッとイルカに背を向けて布団を奪って転がった。
普通そこはオレだって言わないか?
「カカシさん」
「・・・」
「カカシさん」
優しい声でオレの名前を呼ぶ。
愛しい愛しいと言うように。
結局折れるのはいつもオレだ。
「明日、覚えてろよ。めっちゃめちゃにしてやる」
決意を込めていうとふふっと嬉しそうに笑った。
「期待してます」
「ーーっ!」
こうやって無自覚に誘う。だから天然の淫乱なのだ。
やっぱり一回ぐらいいいだろうか。軽くさっさと終わらせるから。
イルカの方へ体をそらして、抱き合うような姿勢になる。
こうなるとイルカの匂いがあちらこちらから感じられる。
あぁ、堪らない。
早くこの匂いをオレのと混ざり合いたい。
そろっと手を伸ばし
「あっ、屁でそう」
萎えた。
もう立ち直れないぐらい萎えた。
「あっちでやれ!バカ!」
「人間屁ぐらい誰でも出ますよ!やめっ、落とさないでください!ベッド狭いんですから」
「イルカはムードってものがない!」
「ムードって何ですか。今日はしないんですよね!」
「しないよ!クッサいイルカの尻なんか誰が入れてやるか」
「あー、言いましたね!今度カカシさんが屁したら匂ってやりますから!そんなに言うカカシさんの屁はさぞかしいい匂いなんですよね」
「オレはいいの!オレの尻は永遠の処女だから!」
ベッドの隅っこでギャアギャア言い合い、でませんでしたーと呑気そうなイルカのセリフで落ち着いてようやく抱き合って寝転んだ。
もう全然する気なくなったが、抱き合うだけでも満たされるモノがある。
今日はもう本当に疲れた。寝る。
抱きしめ、髪を撫でながら額にキスをした。
「カカシさん」
「んー」
「好きです」
彼の目が真っ直ぐにオレの方を見た。
「愛してます」
その目は淀みなく光で満ち溢れていた。
それがまるで彼の愛の証のようだった。
オレは間違ってなかったのだと証明された気がした。
「知ってる」
そっけなく答えるとイルカは嬉しそうに笑った。
五泊六日の旅行の護衛。しかも囲っている妾みんな引き連れてのハーレム旅行らしいが付き合わされるこっちはバカバカしくて白ける。しかも一人貸そうかなんてアホみたいなこと言いやがって。写輪眼のカカシの抱いた女は癖になるらしいってどこの情報だぁよ。誰がお前のお古なんかいるか。そのくせ護衛だ?怖いのは本妻だろ。
そんなバカバカしい任務に往復入れて一週間行ってきて文句垂れ流したら二日休みをもらえた。
こう疲れた日はベタ惚れされてよく使える恋人のところで休むのが一番だ。
心なしか浮き足立つ。
むしゃくしゃするからこの激情を思いっきりぶつけてやろう。
まず帰った瞬間その場で押し倒そう。居間なら燃えるね。ちゃぶ台に押し倒してバックから犯そう。畳に彼の精液ぶちまけて、尻からオレの精液垂らしながら掃除させよう。気が向けばそのままもう一回シてやる。拭き掃除が終わらないな。拭いても拭いても汚してやろう。
そしてオレの精液はそのままにさせて裸エプロンでメシを作らせよう。垂れないよう尻に力入れながら料理するのをビール片手に鑑賞するか。メシを運ぶ度に尻を叩いてやろう。真っ赤な顔をしながら悶絶する姿を想像するだけで腰にクる。
その後は風呂だな。最初から一緒に入るのもいいが途中で乱入するのもいい。慌てふためく彼を力ずくで抱くのは楽しい。湯船でヤると熱い熱いと泣きながら縋ってくるだろう。
風呂から上がった後は裸のままベッドに直行だ。足を広げさせて、散々苛めてやった穴をじっくり観察しよう。赤く熟れた穴を弄りまくってもっとほしいと泣かせよう。
最低でも、五回だな。
淫乱で従順で献身的な恋人のことだ。
きっと溜まってウズウズしているだろう。淫らに泣く姿を思うだけで自然に笑みが浮かぶ。
彼のアパートの下まで来て明かりがついていることを確認する。
ボロいアパートだ。階段の一部は剥げているしギシギシ音がする。こんなところに暮らすなんて考えられないが、狭い部屋は何となく居心地がいい。おかげでなんとなくずるずると同棲している。
何となく驚かせようと玄関からではなく、窓から侵入する。寝室に入ると誰も居らず気配は居間からあった。
よし、押し倒そう。
当初の計画通り気配を消しながら彼に近づく。彼は呑気に採点をしていた。
あぁ、アンタの大事な生徒のテストに、アンタの精液ブッかけるのもいいね。
そしたらきっとアカデミーで真っ赤な顔してオレとのことを思い出すだろう。
腕が止まった一瞬をつき羽交い締めにする。
「っ!!」
「ただいま、イルカ」
強ばった体も声をかければくにゃっと柔らかくなる。オレだけに反応するよう躾た体だ。思い通りの反応に気を良くしてそのまま項に喰いつく。
ガリッと歯を立てて吸い付いたそこは赤黒く腫れ上がった。
可愛いオレのイルカの印。
これはオレの所有物なのだ。
そう実感できてとてもイイ気分になる。
「カカシさん!」
「このままヤらせて」
乳首に手を回し捏ねくりまわす。やっ、やっと悲鳴じみた拒否の声が聞こえたが無視した。これはイルカのポーズなのだ。嫌がって煽る、淫乱なイルカの手なのだ。
「ほら、久々のオレだよ。しっかり奉仕しな」
嬲るぐらいの言葉攻めが好きなイルカ。言葉に反応したのかビクッと大きく震えた。
可愛いーと笑いながら手を進める。このまま嬲りながら挿入せずにイかせてやろう。そしてその淫靡な姿を舐めるように見ながらいたぶろう。
加虐心がクツクツと沸き上がり笑いが止まらない。どちらにしても一週間ぶりのイルカだ。止めるつもりもない。
このまま五回してやろうか。
ペロッと体を舐めながら当初の計画以上辱めを考え出す。
「待って、カカシさん待って!」
「イルカ、久々だもんね。いっぱい出そうか」
「ダメです!待って!」
いつも以上に拒否するイルカはよっぽどめちゃくちゃにしてほしいらしい。
相変わらず煽るのが上手だ。
チュッチュとキスをしながらズボンに手を掛けーー
「ぶゃくしょん、ちきしょー!!」
「・・・・・・」
「あーこりゃまいったこのやろーめー」
萎えた。
普通こういうときそんなクシャミするか。
まぁ普段から同じようなクシャミするからわざとではないと思うが。
「あーもーカカシさん。窓から入りましたね!俺今花粉症で辛いんですから」
ぷりぷり怒りながら窓を閉めた。そうか、それが原因だったか。くだらないこと思わず玄関から入ればよかった。
もうなんか萎えまくってその場で寝転ぶ。
「カカシさん、メシは?」
「ん」
「今作りますから先お風呂どうぞ」
「今いい」
あとでアンタと入るから。
その計画は崩したくない。
イルカは咎めずそうですかと笑いながら立ち上がり割烹着を着た。
可愛い。
けど萎える。あの姿みて襲おうとは思わない。なんだか家庭的すぎて母親を連想させる。自身の母親の顔など全く覚えていないが。
なぜエプロンではないのだろう。前にそう聞くと男たるもの割烹着です!と力説された。
男は関係ないと思う。
イルカのメシは美味い。
ここ一週間護衛任務の際、高級な物を一緒に食べさせられたがあんなものよりもイルカのメシの方がうまい。
まっ、イルカがオレの好みに作ってくれているからだけど。そのぐらいイルカはオレに惚れている。ベタ惚れなのだ。
「イルカ」
名前を呼ぶとニッコリ笑いながらこちらを見た。
「はい」
「オレのこと、好き?」
そう聞くとスッと表情を変え、真剣な顔になる。
「好きです。貴方が俺の全てです。貴方が望むことなら俺の命に代えても遂行しますし、全てを敵にしても構いません」
「ん」
「できることなら貴方の代わりに任務を遂行し、貴方には何の苦しみもない生活を送らせたい。無力で無価値な俺ですみません」
綺麗な姿勢のまま頭をさげた。
きっと。
きっとこの頭をボールのように蹴飛ばしても、虫けらのように踏みつぶしても、彼は喜んで無抵抗でさせてくれるだろう。
なぜならオレを愛しているから。
自身の命などなんの価値もないと思うほど。
「無価値じゃないデショ?イルカはオレのだから」
「勿論です。髪の毛一本たりとも、全てカカシさんのモノです」
「フフッ」
いつも通りのセリフに、よくできましたと頭を撫でる。
従順で忠実な犬のようだ。
イルカにとってオレが全てなんだ。
「何か、ありました?」
不安そうに見上げる。
彼の愛を疑っているわけではない。
ただ、感じたかっただけだ。
「んーん。ないよー。ちょっと聞いてみたかっただけ」
イルカの、愛を。
命を。
「ごめーんね。メシ食べよ。イルカのメシは美味いよ」
「良かったです」
真面目な顔が消え、ふんわりと笑った。
メシが終わると再び風呂に促された。
「イルカと入るから、いい」
「俺はもう入りました」
「はぁ!?」
せっかくイルカと入ること楽しみにしてたのに。
「カカシさん、今何時だと思ってるんですか?0時ですよ。俺明日も仕事ですから普通に寝てる時間です」
「メシは待ってたじゃない」
「夜食です」
キッパリと言われた。夜食にしちゃモリモリ食べ過ぎだ。
太るぞ。
オレは気にしないけど。
恨めしそうな目をしていると、イルカはいいからいいからと風呂に押し込まれた。
仕方ないので一人で入る。
当初の計画は全てダメになった。もういい。上がったら速攻してやる。
温めなおされた湯船に浸かりながら決意する。
イルカ。
淫乱で従順で献身的な、オレの恋人。
アレを手に入れるのは本当に苦労した。
なぜならイルカは。
イルカは生きながら死んでいた。
出会いは受付だった。
今まで部下か、火影様直々に受けていたので受付など初めて来た。
ちょうど空いている時だったのか閑古鳥が鳴いていて、その場にはオレと受付二人しかいなかった。
何の気なしにイルカの前に並ぶ。最初は気がつかなかった。普通に作業をしていた。
報告書をチェックされ「問題ありません。お疲れ様でした」と顔をあげた瞬間、目が合った。
彼の目は真っ黒で塗り潰され、底知れぬ闇しかなった。
よく見ると人の良さそうな笑みは能面じみていて気持ち悪かった。
たかが中忍、しかも内勤の男が、こんな作りモノの顔しかできないなんて。
なんだかひどく腹が立ってその場で罵った。
隣の同僚はひどく怯えていたのに、イルカは能面な顔を隠そうとはせず光のない目でこちらを見ながら淡々と謝ったのだ。
気に入らない。
気に入らない、何もかも。
どうしてそんなに苛立つのかわからなかった。
それから会う度に、あの目を顔を見る度に罵った。罵倒せずにはいられなかった。
何を言っても何度言っても変わらないその態度に焦れて、無理矢理飲みに誘った。断れないのを知っていて酒をたらふく飲ませ本音を誘った。
彼は能面のような顔で笑いながら言った。
「生きる意味が、分からないんです」
「俺は空っぽなんです」
くだらない。
くだらなさすぎる。
ムカついたのでそのまま店から連れ出しオレの家へ押し込んだ。戸惑うイルカを押し倒して何度も何度も彼のナカに、ありとあらゆる方法でオレの精液を注いだ。
腹の中も口の中も体中精液でベトベトになったのを見下ろしてようやく満足した。
「空っぽならオレが埋めてやる」
彼は彼自身をいらないと言ったんだ。
彼自身がどれほどの価値があるのか知らないで。オレがどれだけソレを渇望したのか知らないで。
オレは彼がどれほど魅力的なのか知っている。
あの目が光ればどれだけ魅力的になるのか知っている。
だから拾った。
拾ってオレのモノにした。
「生きる意味がないならオレのために生きな。イルカが生きる意味はオレがいるから」
そう言ってそれが自覚するまで何度も何度も抱きしめ、囁き続きた。
イルカは能面のような顔がそげ落ち、ぼんやりとした顔をしながらも、精液でいっぱいの腹を撫でながら目に小さな光が灯ったのをオレは見逃さなかった。
あれから調教と洗脳を繰り返し、イルカはオレのモノだと自覚させた。最初は貴方の犬でいいと言い張ったが、生憎オレは獣と交わる気はない。散々討論し、恋人というところでお互い妥協した。
能面のような顔はなくなり、段々と表情豊かになっていくのをまるで丹精込めて育てた植物のように見守った。自然に笑うイルカの顔はなんとも言えなかった。
偶に目が闇に染まりそうになると、オレは腹いっぱいになるまでイルカを抱いた。そうして終わったあと大事そうに腹を撫でるイルカはどこか幸せそうで、まるで妊婦のようで神々しかった。
イルカの自然の笑顔が二人の子どものような、二人で作り上げたかけがえのないものだった。
風呂から上がるとイルカは晩酌の用意をしてくれていた。
今日はとことん焦らすらしい。まぁまだ朝まで時間はたっぷりある。焦らされるのも悪くない。
「カカシさん、髪濡れてますよ。あとちゃんと服を着てください。湯冷めします」
「イルカがして」
「もう。しょうがないなぁ」
ブツブツ文句言いながらもドライヤーと着替えを用意してくれた。
服なんてベッドに入ればいらないのに。
ドライヤーのスイッチを入れ、髪を撫でられる。
「カカシさんの髪はサラサラですね」
「好き?」
「はい。勿論」
クスッとイルカが笑った。
「まるで天使みたいですね」
ブォーとドライヤーの音だけが聞こえる。
天使。
天使だって。
このオレが天使のように見えるだって。
馬鹿な奴。
オレがどんな奴か知ってるくせに。
オレがどれだけ手を汚しているか知ってるくせに。
悪魔、鬼、死神・・・。
そう呼ばれた名は少なくない。きっとこの先も侮蔑と恐怖をもって呼ばれるであろう。
そんなオレに、天使だって。
めっちゃめちゃにしすぎて脳まで腐りきってしまったのだ。
本当馬鹿な奴。
ドライヤーを片付けているイルカを尻目にグビッとビールを飲んだ。
苦味が口いっぱい広がり、想いと共に飲み干す。
偶に。
例えばこんな時に、ふと思う。
イルカは、オレの恋人でいいのかと。
あの生きながら死んでいたときよりもマシだろうとは思うが、それは所詮独りよがりだ。
傍から見れば前の方が幸せだったと言われれば、頷かざるを得ない。
イルカはオレみたいな奴が手を出してはいけなかったモノかもしれない。オレのせいで彼の人生を狂わしたかも知れない。
例えば。
そう例えば、オレが死んだとき。
彼はきっと笑いながらクナイで喉を切り落とすだろう。
何のためらいもなく。
それが良かったかどうかなんて分からない。
分からない。
「カカシさん。今日のツマミどうですか?珍しいの頂いたんですよー」
呑気そうな声が聞こえる。
「うん。美味い」
「でしょー!」
イルカは本当に幸せそうに笑った。
片付けもそこそこにイルカをベッドに押し倒す。
「イルカ」
沸騰しそうな頭を抑えて、手で彼の体を弄る。
んんっと気持ちよさそうな声をあげながらも、イルカはオレの腕をとった。
「カカシさん、大事な話があります」
「なに」
今、この状態で言われても困る。
早くヤりたくて、イルカを急かす。
「実は今日生理で」
「アンタ男デショ」
「つわりがひどくて」
「だから男デショ」
「持病の痔が・・・」
「オレがそんな下手くそなわけないデショ!何?」
「実は明日体術の授業が」
たはーと頭をかいた。
「分かった。じゃあ一回で終わらすから」
「いえ、今日はダメです」
まさか、この状況でおあずけ宣言されるとは!
「はぁ!?一週間ぶりの任務明けなんだけど!?」
「すみません!明日っ!明日は明後日休みもらってますから好きなだけしても、大丈夫です!」
こうなればイルカは頑固だ。絶対譲ってはくれない。仕事以外で拒否されないのだから、これ以上詰め寄ることはしない。一回無理させてぶっ倒れたことがあるからしないと誓った。オレはそこまで鬼畜ではない。
「イルカはオレと仕事と、どっちが大切なの」
「んー・・・・・・」
「もういいっ!」
プイッとイルカに背を向けて布団を奪って転がった。
普通そこはオレだって言わないか?
「カカシさん」
「・・・」
「カカシさん」
優しい声でオレの名前を呼ぶ。
愛しい愛しいと言うように。
結局折れるのはいつもオレだ。
「明日、覚えてろよ。めっちゃめちゃにしてやる」
決意を込めていうとふふっと嬉しそうに笑った。
「期待してます」
「ーーっ!」
こうやって無自覚に誘う。だから天然の淫乱なのだ。
やっぱり一回ぐらいいいだろうか。軽くさっさと終わらせるから。
イルカの方へ体をそらして、抱き合うような姿勢になる。
こうなるとイルカの匂いがあちらこちらから感じられる。
あぁ、堪らない。
早くこの匂いをオレのと混ざり合いたい。
そろっと手を伸ばし
「あっ、屁でそう」
萎えた。
もう立ち直れないぐらい萎えた。
「あっちでやれ!バカ!」
「人間屁ぐらい誰でも出ますよ!やめっ、落とさないでください!ベッド狭いんですから」
「イルカはムードってものがない!」
「ムードって何ですか。今日はしないんですよね!」
「しないよ!クッサいイルカの尻なんか誰が入れてやるか」
「あー、言いましたね!今度カカシさんが屁したら匂ってやりますから!そんなに言うカカシさんの屁はさぞかしいい匂いなんですよね」
「オレはいいの!オレの尻は永遠の処女だから!」
ベッドの隅っこでギャアギャア言い合い、でませんでしたーと呑気そうなイルカのセリフで落ち着いてようやく抱き合って寝転んだ。
もう全然する気なくなったが、抱き合うだけでも満たされるモノがある。
今日はもう本当に疲れた。寝る。
抱きしめ、髪を撫でながら額にキスをした。
「カカシさん」
「んー」
「好きです」
彼の目が真っ直ぐにオレの方を見た。
「愛してます」
その目は淀みなく光で満ち溢れていた。
それがまるで彼の愛の証のようだった。
オレは間違ってなかったのだと証明された気がした。
「知ってる」
そっけなく答えるとイルカは嬉しそうに笑った。
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