失礼しますという声がして、部下が入ってきた。
「今日お願いしていた決済ですが」
「あぁウン。できてるよ」
そう言ってわたすとはーっと歓声のような溜息が聞こえる。
「さすが六代目。歴代の火影様は書類をためて今日お願いしたことなんて一週間後にならないと見てももらえなかったことなんてザラにあったのに」
「ハハハ」
苦労が滲み出ている。長いこと事務仕事を担う部下の言葉に思わず乾いた笑いが出た。
そういえばあの人はよくそうやって愚痴ってた。事務仕事が出来る人が火影になればいいのに、と。この部屋にも何度も火影相手に怒鳴っていた。彼は誰からも信頼され、重宝される。
「聞きましたよ。こないだの外交も、難しい案件だったのに木の葉優位で契約されたとか」
「あー、まーね」
その会合が温泉地だったから先生と前日イチャコラして、その興奮が冷めやまないまま会合に臨んだら、説明にも力が入りなぜか契約できたんだよね~。
「それから火の国で有名な大手百貨店が木の葉第一号店を建設されるそうで。火影様がわざわざ交渉に行かれたんですよね?いやーあの百貨店ができたら木の葉も益々潤いますね」
「ウン。そーね」
先生が好きなロールケーキがそこでしか売られてなくて毎回取り寄せるのが面倒だから建てちゃったんだよね~。
そんな思惑を知らない彼は大きく頷いた。

「いやー、さすが六代目。完璧ですね」

その言葉にフッと笑う。
その言葉は何よりの褒め言葉だ。

昔、彼から何度も褒めてもらった言葉。
そしてオレと、彼を指す代名詞となりつつある言葉。
「ありがと」
何度言われようと嬉しいものだ。
先生に出会う前からも言われていたがあの時はなんとも思わなかった。ただの記号、言葉の配列だった。
だが、今は違う。
これはオレと先生の、特別な言葉なのだ。
「あ、そう言えばイルカ中庭で見ましたよ」
「え、本当?」
オレが誰でも構わずイルカのことを会う度に聞いていたら、もうこちらから聞かなくても皆教えてくれるようになった。おかげで見張らなくても彼の動向が知れる。それはもう里中暗黙の了解のようだった。
彼も、彼を想っている奴もこんな環境ではオイタはできないだろう。オレにとっては最高の環境である。
「今日こそは夕飯作るって意気込んで、仕事片付けてましたよ。もうすぐ来るんじゃないかなぁ」
「それは楽しみだなぁ」
思わずデレとなってしまう。それに気がついたのかクスクスと笑われた。
「相変わらず愛妻家で」
「ウン。まーね」
隠すつもりなど毛頭ない。
彼がオレの唯一の人だと、六代目になると同時に公表している。溺愛っぷりは何年経とうが日増しに強くなり決して衰えはしない。
「イルカ先生可愛いから心配で」
「大丈夫ですよ。さすがに火影様の奥方を取ろうなんてそんな命知らずいませんよ」
「そーかなぁ。そうだといいなぁ」
毎日毎日こんなにも心配でたまらないのに。
部下はごちそうさまですと笑いながら出て行った。
仕事をひと段落し、手を休めた。
もうすぐ、先生が来るだろう。
今日は夕飯を作ってくれると言うことは報告に来て、そこで仕事を終えるのだろう。きっと夕飯は何が食べたいか聞くだろうな。だがきっと彼の頭の中はもうメニューが決まっているハズだ。
久々に彼が作ってくれる。それはきっと。
秋刀魚の塩焼きと、ナスの味噌汁。
オレの好物に決まっている。
でもその前に少し小腹がすいているだろう。今日はあっちこっちに行ってもらったから。きっと疲れて甘い物かほしいと思っている。
オレも少し疲れたし、一緒食べよ。
そう言って用意していた物を見ているとノックの音がした。
「失礼します」
ピシッと見本のように背筋を伸ばして先生が入ってきた。
「せんせ」
甘えた声を出す。周りに誰もいないのを確認すると彼もふにゃっと笑った。
「お疲れ様です、カカシさん」
人前では六代目と呼ぶが、二人きりなら以前のようにカカシさんと呼ぶ。その瞬間オレは火影ではなくなり、ただ一人の男になる。
先生に夢中な、ただの男に。
「先生、座って。今お茶入れるから」
「何言ってるんですか!そういうことは俺がします。カカシさんこそ座っていてください」
そう言われて、押さえつけられた。先生にお茶入れてあげたかったのに。でも先生がいれてくれたお茶が飲めるからいっか。先生が入れてくれるのは格別だから。
「あ、先生。お菓子買ったから一緒に食べよ」
「これ!抱月堂の水饅頭じゃないですか!今日食べたいと思ってた!なんで分かったんですか!?」
それは、昨日はLa Chouchouの苺タルトで一昨日はマルシェのシュークリームと洋菓子が続き、そろそろ和菓子が食べたいと思っていて今日はこんな暑さだしさっぱりとした冷たい物を、それで今日はたくさん動いたからガツンと甘い物と言ったら抱月堂の水饅頭か七条亭のあんみつだが、今日のお茶は少しさっぱり目のお茶だから水饅頭だな。
と、思って前もって買っていたからとは勿論言わず、愛ですと答えるとふにゃっと照れたようにだが嬉しそうに笑った。
「へへへ。カカシさんは何でもお見通しですね」
そんなことない。未だイルカの心の奥底は何も見えていない。だから一生懸命オレが持っている情報かき集めて潜りこもうとしているだけだ。
だけどそんな必死な、カッコ悪いところ見せたくないから、分かったような余裕のあるふりをして笑う。
いつだってオレは先生に夢中で、オレにつなぎとめておこうと必死なんだ。
そんないっぱいいっぱいなオレの気持ちなど知るよしもない先生は正面に座り、少し冷めたお茶を飲みながら水饅頭を食べた。
途端見ているこっちが幸せになるような、美味しそうな顔をする。
先生は本当に生き生きとしている。
「ん~!やっぱり水饅頭は抱月堂ですねぇ!」
「そう?よかった」
「カカシさんも食べて食べて。適度な休憩は大事ですよ」
勧められるまま水饅頭を食べる。餡子は甘ったるく重かったが、それでも冷たくツルリとした喉越しは心地よかった。
「せんせ」
「ふぁい」
もぐもぐと水饅頭を頬張っている先生はリスのようだった。手にも何個か持っている。いや、取らないから。落ち着いてゆっくり食べて。
「先生、やっぱり秘書になってくださいよ。肩書きがないからあっちこっちに使われて、オレ寂しいです」
彼はフリーという立場を取り、結果オレの傍にいるより他で働いている時間の方が長くなっていた。未だアカデミーにも受付にも顔を出している。
オレがどんな気持ちで、辞めてほしいとお願いしたのか、全然分かってない。関係を崩しかねないと恐れながらも、それでも彼をそばにいてほしいと願ったのに。
「嫌ですよ、秘書なんて。大体あの仕事は代々女性がするものなんです」
「三代目のときはしてたじゃない」
「今とあまり変わらない立場ですよ。正式な秘書はいましたし」
きっぱりと断られてしまった。毎度のことながら少し凹む。
当初は先生をよくやく独占できると喜んでいたのになぁ。
「それよりも、カカシさん。俺今日これであがりなんですよ。夕飯何がいいですか?」
そう言いながらどこか期待した目で見上げてきた。上目遣いで見上げる顔はどこか清楚で可愛らしい。そのくせ少しほつれた髪と汗で濡れた首元は妖艶に感じる。

オレの精液、顔中にぶっかけてぇ。

ちょっとムラッとしてしまったが、勿論そんなことしない。いや、夜になったらさせてくれるかもしれないけど。いやでも、今日はバックで背中にかけるって思ってたんだけどな。あの彼が絶頂する度に赤く色付く傷にかけるのが最近のお気に入りなんだけと。いや、でも。
そう悶々としていると答えないオレに何か思ったのかのぞき込んでくる。
「カカシさん?」
赤い舌がチラチラと動く。
ーーー最初は背中にかけて、次に顔にかけさせてもらえばいっか。お願いしたら二回させてくれるだろう。
「秋刀魚の塩焼きとナスの味噌汁が食べたいです」
悶々とする下心を見せずそう言うと、それ好きですねぇと笑いながら言われた。
好きなのは、そうやって笑ってくれる先生なんだけど。
「なんか、最近、・・・・・・いや、六代目に就任してからもあんまりメシ作れなくてスミマセン」
「いえ、いいんですよ。オレが忙しくさせているんですから。オレはいいんです。そんなに忙しくないし」
「・・・アンタより忙しくない奴なんかいませんよ」
「でも」
でも、先生になにかしてあげれるのは嬉しかった。喜んでる先生の顔を見ると、その顔はオレがしてあげてるかと思えば喜びだった。
先生は、はぁと溜息をついた。
その物言いたげな顔にドキッとする。
もしかして、呆れられた?
重い?鬱陶しい?面倒くさい?
自分の彼への執着は異常だと分かっていた。分かっていたが、どうしようもできない。もう彼なしではいられなかったから、雁字搦めにして離れないようにしているが。
どうしよう。
カタカタと体が小刻みに震えるのがわかった。
そんなこと言われたら。
先生に嫌われたら。
そしたら。

そしたら、生きてなどいけないーー・・・


「俺はカカシさんを支えるために仕事を辞めてついてきたんですよ!せっかく辞めたんだんだから使わなきゃもったいないだろー!」
そう言って右ストレートで殴り、

ぎゅっと手をつないでくれた。

「せんせー、痛いです」
本当は痛くなんてないのに、笑いながらそう言った。
そうじゃないと胸がいっぱいで泣きそうだった。
あぁ、先生好き。大好き。
「いいですかカカシさん!使える人間はとことん使う。これは鉄則です」
真面目な先生の顔をして話す姿はやっぱりカッコイイ。
ハーイと答えると真面目に聞く!とデコピンされた。

先生の愛は痛い。でも強く確かに実感出来る。

「失礼します。・・・あ、イルカ先生。お疲れ様です」
「おお、イサキもお疲れ。今は会計課だったっけ?」
「はい。毎日金の計算ばっかりしています」
どうやら教え子らしい。和やかに話すのをじっと見つめる。まぁ先生は絶対教え子に恋愛対象には考えられない人だから心配はしてないけど、一応ね。
「火影様。来年度の予算ですが、復興予算についていかがしますか?」
「あぁ、えっと」
資料を探そうと手を伸ばす前にさっと先生が用意してくれた。
「六代目、こちらが資料です。現在の復興状況、今後必要と思われる箇所の見積り、来年度の収入見込みです」
「ありがとう」
「いえ」
すっかり仕事モードになってしまった先生は他にも必要な書類がないか探している。
それを見ていたイサキは歓声をあげる。

「さすが、イルカ先生。完璧ですね」



◆◆◆



「相変わらず完璧だな」
血で汚れた手を拭っていると、そう話しかけられた。
「そう?」
「ほぼひとりで盗賊をたった三日で壊滅。こちらは被害なし。嫌味なぐらい完璧だろ」
そう言われても。
そう命令されたから、従ったまでだ。
言われたことを言われた通りしたぐらいで褒められる意味がわからなかった。むしろ出来ない奴の気が知れない。
それなのに外場にいた仲間は口々に褒め称える。それをどうでもいいようにやり過ごす。
くだらない。

里に帰ると三代目に報告をする。
「今回の任務も見事だったのう」
「はぁ」
「大きなケガもなし。完璧じゃ」
完璧。またでた。
言われた通りのまましただけなのに。
「何か褒美をやろうか?」
「別に何もいりません」
「欲しいものぐらいあるじゃろう」
「ありません」
「ふむ。それでは休暇をやろうか?」
「することないので結構です」
断ると、三代目は項垂れ大きくため息をついた。このやりとりも何度繰り返したことだろうか。毎度毎度飽きずに言う三代目は何を考えているのかわからない。
「お主はほしいものもしたいこともないのか?」
「ありません」
何もない。だから言われたとおりのことをするだけだ。
人を殺せと言われれば殺すし、誰かを抱けと言われれば抱く。己の意志などない。そんなものあったことなどない。

俺は不完全な人間だ。

意欲も意志もない、ただ言われるとおり動く人形だ。
それなのにみんなが褒める。
完璧だ、完璧だと褒め称える。
くだらない。
こんな空虚がいいのならみんな意志など捨ててしまえばいい。
「・・・・・・お主は何の為に生きておる」
「生きてなどいません。死んでいないだけです」
そう、ただ心臓が動いているから、死んでいないだけだ。
することがないから言われるがまま動いているだけだ。
「幸せか?」
幸せ?
幸せとはなんだ?
「幸せとはなんですか?」
そう聞くと眉を潜め悲痛な顔をした。そんな顔するぐらいなら聞かなければいいのに。どうせ答えは知っていたはずだ。
くだらない。


1日休みをもらったが、することなどなかった。
腹が減るからどこか適当に食べて、眠いから寝て。それ以外は体を鍛え、忍犬の手入れをして、溜まったら適当な女と寝て。
「カカシ。好きよ」
女はどいつもこいつも代わり映えのしないセリフを繰り返した。
「どこが?」
「どこって・・・・・・。カッコイイし強いし」
顔がよければ好きになるのか?なら適当な相手に理想の顔を整形してもらえ。強いのがいいなら鍛えればいい。
そんなことで好意を持てるクソみたいな女たちは皆くだらない。
そんな女を好むオレも、くだらない。
あぁ、なんて世界なんてくだらないものだらけだ。
つまらない人生。

「ぐぉらぁー!ナルトー!!」

いきなり大声が聞こえ、そちらを向く。すると大の大人が全力疾走していた。
(なんだ、アイツ・・・)
いい大人なのに、あんなに走って、顔を真っ赤にして怒って、大声で叫んで。
捕まえた子どもに思いっきりゲンコツを落とす。
「いっってぇーー!」
「お前は!何度言ったら分かる!?今日は放課後補習って言ってあっただろ!」
「だって・・・、イルカ先生ってば、おればっかり・・・。他の奴らは補習なんて言わないし」
「バカ野郎!他の奴らは休み時間してるんだよ!お前は毎回逃げるから放課後になったんだろ!」
まだブツブツ文句を言う子どもにもう一度ゲンコツを落とす。
「いっ、てぇー!」
「ほら文句言わずにもどるぞ!」
「えー!!」
ぶぅぶぅと文句をいいながらもどこか嬉しそうだった。目もキラキラさせて男を見ている。
男もそれを見てわしゃわしゃと頭を撫でると。

ニカッと歯を見せて万遍の笑みで笑った。

「ちゃんと出来たら、ラーメン奢ってやるぞ」
「え!?一楽に連れて行ってくれるってば」
大袈裟な程喜ぶ。それを見て男も得意げに笑った。
「おぉ!チャーシュー大盛り頼んでやるぞ」
「おれってばおれってば今日は味噌食べたいってばよ!」
「よしっ!じゃあ俺も味噌にしようか。お揃いだな」
じゃれつく子どもに笑いかけながら、手を繋いで歩いていく。
一人取り残されたようにオレはその場にポツンと立っていた。
正しくはさっきの光景が頭から離れなくて、動けなかった。
それほど強い衝動だった。
なんだ、アイツ。
いい大人なのに、子どものように怒って、笑って。
全力で向き合って、全身でぶつかって。
幸せそうに、愛おしそうに見て。
何がそんなに楽しいのだろう。
何がそんなに怒るのだろう。
何がそんなに。
そんなに、幸せそうに笑えるのだろう。
(変なヤツ・・・)
忍には不向きだ。きっとすぐ感情が顔に出るだろう。先生で良かったね。戦地だと真っ先に死ぬだろう。
でも。
でも、ほんの少しだけ。
彼の笑う顔を見て。
羨ましいと、思った。

ないと思っていた心が、小さく息をした。



その日から何となく彼を目で追っていた。
アカデミーの先生だと分かっていたので調べるのは簡単だった。
(イルカ、先生ね・・・)
彼は見る度にころころと表情を変える。
大声で怒鳴りながら怒り。
涙を流しながら悲しみ。
眉をハの字にして悩み。
小さないたずらに大袈裟な程痛がり。
幸せそうに、大声で笑った。
(いちいち動きがオーバーだねぇ)
まるで子どものようだった。
誰よりも人間らしかった。
(ああいうのが、人間なんだねぇ)
彼を見ていると生きていることが分かる。
彼はいきいきと、全身全霊で、生きていた。
見ていれば不思議なことに彼の感覚がシンクロするようだった。
彼が悲しそうならオレも悲しくなり。
彼が怒っていたらオレもイライラとし。
彼が笑っていれば、オレも嬉しかった。
(いーねぇ)
もっと悲しんで欲しい。もっと怒って欲しい。もっと笑って欲しい。全身で生きていることを教えてほしい。生きるということを証明していてほしい。
気がつけば任務をしている時以外は彼に張り付いていた。



「どうした。今日はやけに静かだな」
「ちょっとね・・・」
任務に出る前に彼を見たら悲しんでいたので、オレもシンクロして悲しかった。
(何かあったんだろうねぇ)
それが何か知らないし、何がそんなに悲しいのかも分からない。だけど悲しそうに顔を歪ませた彼を見ているとこちらまで悲しかった。
(まだ悲しんでいるかな・・・)
もう立ち直して笑っているかもしれない。いつものように生徒を叱っているのかもしれない。そう思っても気が晴れなかった。
早く会いたい。会って違う表情を見せてほしい。そうでないとこのままずっと悲しい気分だ。
悲しいことなど、何もないのに。
「そうだ。イイトコ連れて行ってやるよ」
「イイトコ?」
そう言って連れてきたのは受付だった。ここは知っている。火影を通さない任務はここからもらってここで報告する場所だ。もっともオレはここを通さないものばかりであまり来たことはなかったが特段楽しいところではない。何だろうと引かれるまま入ると、そのまま隅に追いやられた。
「・・・何?」
「アソコの受付嬢、知ってるか?」
コソッと指をさした方を見ると。
そこには彼が座っていた。
ドキッとした。
もしかしてオレの行動が露見しているのだろうか。
人知れずしているつもりだが、犯罪スレスレな行為なのは自覚していた。
「いや、あの・・・」
マズイ。知られて、もし止められたら。
彼に会うのを禁じられたら。
(禁じられたら・・・)

そしたらオレは、どうなるのだろうか。

(決まっている。元の生活に戻るだけだ)
元の生活?それはどんなだっただろう。
(感情のない、意志のない、意欲のない)
必死に思い出そうとしても、どうしてもその感覚が思い出せなかった。あんなに常に感じていたのに。無気力で、世界を見下していて、くだらないと呟いていたのに。
分からない。
分からない。
もうあの生活には戻れない。強い確信があった。
ではどうなるのだろう。
彼がいない世界。
これから一生彼を見れない世界。
(彼が、いない・・・?)



ヒヤッとした。



それは彼に会えない絶望ではない。


そうなればオレは。
例え里を滅ぼしても。
世界を滅ぼしても。
彼を求めるだろう。
それは、絶対だった。


こんな執着、知らない。
彼が世界で、彼がオレの全て。
こんな強い感情、知らない。
悍ましく、激しく、そして熱くて、冷たい。
あふれだす感情に爆発しそうだった。

ああ、こんなにもオレは彼に執着している。
それを強く、ハッキリと自覚した。


自覚すれば、あとは他易かった。そうならないようにすればいい。
「彼が、何?」
素知らぬフリして答える。もしコイツが彼と会うのを辞めさせようとすれば。
殺せばいい。
それだけだ。
「アイツさ、完璧な受付嬢って言われてるんだぜ」
だが言われた言葉は予想外のものだった。
「は?完璧?・・・あぁ、仕事がきっちりやるの?」
「そうじゃねーよ。そういう意味じゃあ結構ミスするな。だが、そのフォローの仕方もイイんだよ。知ってるか?すっげーイライラしていてもアイツと話してたらいつの間にか笑顔になるんだって。和むっていうか、癒し系だとよ」
「癒し系・・・」
そうなのか。
そう言えばオレは一度も彼と言葉を交わしたことがなかった。
喋ったら、癒されるのかな。
(癒されるって、どんなのだろ・・・)
その感情を知らないが。
してみたい、と思っていた。
だって喋っていない、見ているだけなのに、こんなにも心を揺さぶるのだから。
「お前、喋ってこいよ」
「え!いや、オレは・・・」
言われた途端何故か恥ずかしくなった。なんでだろう。彼と話すと思っただけで、ドキドキとし、胸が苦しくなる。こんな状態で彼の前などいけない。
ふと彼を見るとニコニコとしながら座っていた。どうやら前見た悲しい顔はなくなり立ち直っていたらしい。
(良かった・・・)
シンクロしたように、嬉しくなる。
彼が嬉しそうで、オレも嬉しい。
喋らなくてもいい。彼を見ていればオレは彼の感情とシンクロできる。
下手に喋って関わりを持ってもし、オレの行動が露見したら、そして止められたら、元も子もない。
「いや、いいよ」
「まぁいいからいいから」
「おい、やめろ」
押されるようにされ、慌てる。彼に見つかりたくない。騒ぎたくなくて抑えようとするのにまぁいいからいいからと背中を押す。焦ってふと彼を見ると、

こちらを見てニコリと笑った。

ドキッとした。
呼吸が止まり、頭が真っ白になる。
見ている。
彼が、オレを。
あの黒い瞳で。
オレを見て、嬉しそうに、笑った。
「ーーーっ」
イルカ。
オレは叫びたくてたまらなかった。
イルカイルカイルカイルカイルカイルカ。
もっと見て。
オレを見て。
オレだけを。
オレだけをーーー・・・

「シラサさん!」

イルカは。
オレの隣の同僚を見て、笑った。


「よ!」
彼は自然にオレの横を通り過ぎ、イルカの傍に行った。
イルカは嬉しそうに彼に話しかけてる。目を合わせて、偶に小突いたり抱き合ったり。
嬉しそうなのに。
いつもはシンクロして、こちらまで嬉しくなるはずなのに。
握った拳の指から、血が流れるほど握りしめていた。
おかしい。
イルカが嬉しそうなら、嬉しいはずだろ。
ほら笑えよ。
笑え。
嬉しいって思え。
いつもは自然に上がる唇が何故かなわなわと震える。
渦巻く気持ちは初めてでその渦の強さに眩暈がする。
分からない。
だけど悲しくて切なくて、ひどくイラつくんだ。
「カカシ」
名前を呼ばれてハッとする。同僚がオレの名前を呼んだ。そして、イルカも合わせてこちらを向いた。
きょとんとした大きな目が、オレをうつした。

体が、沸騰するかと思った。

かぁぁあぁと熱が全身に走り、身動きが取れなかった。
イルカが、見てる。
オレを、見てる。
イルカ。
イルカイルカイルカ。
「こっちこいよ、カカシ」
呼ばれているのにいけない。
今行けばもっと、もっと彼に近づけるとは分かっていたのに。
もしかしたら言葉を交わせれるかも知れないのに。
オレは動けなかった。頭は真っ白で、なんの機能もしなかった。完璧としか言われなかったオレが。約立たずのポンコツへと成り下がったのだ。
「カカシ?」
不思議そうに同僚が呼ぶ。それに気づいたのかイルカも不思議そうな顔をしていた。首をかしげて、黒い瞳にオレをうつしたまま。

「ーーーっ!!」

気がつけば自宅の玄関で立ち尽くしていた。
状況が掴めず、その場でズルズルとしゃがみ込んだ。動けなかった。動く気力もわかなかった。
不思議な感覚だった。
心臓はバクバクと高鳴り、体はあちこちから湯気が出るのではないかというぐらい熱い。思考は滅茶苦茶で何一つまともに考えられない。気持ちは高揚し、焦っているような、イラつくような、堪らなくもどかしくて。
でも、なぜか不快ではなく、むしろもっとと叫びたくなった。
「ハハハ、ハハッ」
笑いが自然とでた。
笑ったことなどなかったのに。
そうか、これが可笑しいのか。
これが、楽しいなのか。
確かに、愉快だ。
「クククッ、ハハハ」

イルカ。
アンタはオレを、人にする。


完璧と呼ばれた人形は、もうどこにもいない。





それを見つけたのは、偶然だった。

偶然と言っても、ほぼ彼に張り付いているのだから当然だったのかもしれない。
彼への執着を自覚してからも、相変わらずオレは遠くから見ていただけだった。話してみたいと思ったが、ーーー何を話せばいいか分からなかった。話題一つ浮かばなかった。思い返せば円滑な人間関係を気づいたことなど一度もなかった。そんな面倒な事など必要ないとまで思っていた。そのツケが今回ってきたように思えた。

だからそれを見つけたのは、いつものように任務を終え、イルカの姿を見つけ陰ながら見守っていたときだった。
彼は一人で泣いていた。
さっきまで、受付ではいつものように笑っていたのに。曇のない顔で皆を照らすかのように、笑っていたのに。
ちょっと、と席を外し厠かと思ったら薄暗い部屋に入ったかと思うと一人泣いていた。声を抑えて、溢れる涙を必死に拭っていた。
(そんなにしたら、目が腫れるのに・・・)
愚かなオレはそんなことしか思えなかった。
彼を見てると、それだけで悲しくなり、涙のような綺麗なものは出ないが、胸がぎゅーっと苦しくなった。
彼がこんな想いをしているのかと思ったらいてもたってもいられず、持っていた布を濡らして、ゆっくりと音を立てて近づいた。腫れた目が少しでも抑えられたらいいと、それだけしか頭の中はいっぱいだった。
彼はオレをみて吃驚した顔をしたが、布を見て、恥ずかしそうに受け取った。
「だい、じょう、ぶ・・・?」
声が震えた気がした。寒くもないのに。恐怖もないのに。
すると彼はへへへっと力なく笑った。
「すみません、大丈夫です」
冷たくて気持ちいいですと布を目にあてた。
その姿にホッとし、すぐにこれからどうしていいか分からず立ち尽くす。
こういう時は立ち去った方がいいのだろうか。
それとも誰でもいいからそばにいてほしいだろうか。
彼がどちらがいいのか分からず途方に暮れる。
すると彼はへへへっとまた笑った。
「・・・教え子が死んだって報せがあって・・・。立派な死に方だったみたいですけど、・・・やっぱり悲しくて」
「うん」
オレも彼の心に共鳴して悲しくて悲しくて堪らなかった。
「もう何年も受付も教員もやってるのに、情けないですよね」
「そんなことないですよ」
するりと出た言葉はオレの意思だったか、ただの音だったか分からなかった。
不思議な感覚だった。
脳を通さずに言葉が出る。
言った後ぼんやりと、オレが言ったのかと自問自答した。
(オレ、そんなこと思えたのか・・・)
すぐさま否定できるぐらい、きちんと自分の意思をもっていたことに驚いた。
(でも・・・)
彼は情けなくない。
強くて人のために泣ける優しい人だ。
遠くから見つめるだけのオレでも分かるぐらいなのだから。
「悲しいのは当たり前ですよ。人間だから」
貴方は感情豊かなちゃんとした人間だから。
オレみたいに、貴方に共鳴してないと悲しくならないガラクタな人間ではないから。
悲しまないで。
どうか自信をもって。

貴方は完璧な人間なのだから。

人間らしくて表情豊かで、見ているだけで幸せにしてくれる完璧な人だから。
どうかそれを見失わないで。

彼は目を見開き、プッと吹き出した。
笑われるとは思わなくて慌てた。
なにかマズイことでも言ってしまったのだろうか。怒るならまだしもなぜ笑うのだろうか。笑うということは可笑しかったのか。
オタオタしているオレをみて、すみませんと謝ってきた。
「そうですよね、人間ですから悲しくなるのは当たり前ですよね」
「?は、はい・・・?」
「偶にこの仕事をしてると、人間であることを忘れます。でも、俺人間なんだ」
クスクスと笑い何がおかしいのか分からなかったが、彼が笑ってくれた、そうしたのは自分だと思うと、嬉しかった。オレでも彼を笑わせるられるのだと誇らしかった。
「人間ですよ。貴方は立派な、・・・完璧な人間です」
もっと笑ってほしくて言葉を紡ぎ続けると、一瞬キョトンとしたが、やはりまた笑ってくれた。
「完璧って、はたけ上忍に言われると・・・っ、アハハ」
「え?」
「完璧なのははたけ上忍じゃないですか。俺なんて」
そんなことない。
アイツだって、周りだってきっとそう思ってる。
アンタは完璧な人だって。
だって、こんなにも。
こんなにも。
「違っ・・・、アンタこそっ」
続ける言葉が見つからなかった。
妥当な言葉が分からない。知らない。
この想いを伝えたいのに伝えられる言葉が分からず、こんなにももどかしい。
(完璧以外に、もっと違う、妥当な言葉・・・っ)
言ったら彼が納得してくれて、そしてまた喜んでくれて、笑ってくれるそんな言葉。
そんな魔法のような言葉が見つからなくて、もどかしくて、思わず手を握った。
この掌から、この想いが伝わればいい。
そう願いながら、強く、強く握る。
すると、スッと握っていない片手で俺の腕をとった。
痛かったのだろうか。
その瞬間、サーッと血の気が下がった。
乱暴なことをしてしまった。
痛かったのだろうか。怖い人と思われていないだろうか。
思わず引っ込めようとすると、彼の方が素早く手を動かし、

まるで握手するように握った。

「じゃあ、お揃いですね」

そう言ってニカッと白い歯を見せて笑った。
「完璧コンビ結成!・・・なんちゃって」
アハハハと豪快に笑う。
お揃い。
それはとても幼稚な言葉で、いままで聞いたことも言われたこともなかった。
だけど、何故だろう。
晴れやかな気分で、とても清々しい。

クソみたいな人生だった。
ただ言われたことを黙々と熟す日々だった。
自分の意思などない。欲しいものもしたいこともない。
幸せの意味さえ知らなかったのに。


「おれってばおれってば今日は味噌食べたいってばよ!」
「よしっ!じゃあ俺も味噌にしようか。お揃いだな」
初めて彼に会った時のことを思い出す。じゃれ合うようにまるで親子のように隣に並んで歩く二人から目が離せなかった。


今なら分かる。
羨ましかったのだ。
心を通わせ、隣で笑いあい、歩く彼らが。
揃いだと、まるで自分の一部を同じにする、その行為が。


クソみたいな人生だった。
だけどそれのどこか一部でいい。彼と揃いなら。
彼と共通点があるのなら。
彼の心とオレの心がほんの少しでいい一緒なら。
自分の人生を誇らしく、悪くないと思えるだろう。



気がつくと顔の筋肉が柔らかく動いていた。
そんなこと初めてで自分が今どんな顔をしているか分からなかったが。
それを見たイルカは何故か顔を赤くして狼狽えだした。
「あ、ああああの、はたけ上忍に失礼なことを言いました」
「え?」
「す、すみません。はたけ上忍に声をかけていただけるなんて夢のようで・・・っ、あ!いえ、あの・・・っ、おおおおおれ何言ってるんだろ。と、とにかくハンカチありがとうございました!洗って綺麗に!・・・じゃなくて新しい物を必ずお返しします!」
「え、いや、別に・・・」
「あ、ありがとうございました。恐悦至極でした!それではっ!!」
問い変えせる余裕もなくさっさといなくなってしまった。
なんでそんなことになってしまったのか。
考えられるのは、彼が狼狽えだしたその前の自分の行動だった。
(・・・・・・もしかして、変な顔したのか)
分からないけど、睨んだりしてしまったのだろうか。
対人スキルのなさに情けなくなる。
せっかく彼と仲良くなれるチャンスだったのに。
(イルカ・・・)
彼を思うと嬉しいような切ないような、悩ましいような、情けなくなるような。
こんな様々な感情をオレから引き出してくれる。そしてオレ以上に様々な感情を見せてくれる。
(アンタは完璧な人だよ。誰がなんと言おうと)
オレはまだ、お揃いではない。
だってまだ自分の感情をコントロールできないのだから。
いつか、彼と同じ、完璧になれたら。
オレの世界はどんなに変わるだろうか。
不思議とその変化に恐怖などなく、年甲斐もなくワクワクした。
きっと。

きっと彼と同じ世界が見える。
キラキラと輝いた目で見ている世界をオレも見ることが出来る。
そしたら彼のように笑えるであろうか。怒れるであろうか。悲しめるであろうか。
誰でもないオレの感情で。
そして彼の一部と同じになる。
それはなんて幸福なーーー・・・。


まだ、彼への恋心を自覚するずっと前のこと。

彼とお揃いの完璧という言葉を好きになったあの日。
オレはクソみたいな世界を愛せる気がした。



◆◆◆




「六代目。これが今日の最終です」
そう言って持ってきたのは数枚の報告書だった。これなら定時には終わるだろう。
オネダリしたときの先生の顔を思い出してムフフと思わず笑ってしまう。
可愛かったなぁ、せんせ。明日は休みとってますから、二回なら・・・と頬を染め目線を逸らして恥じらう先生はオレの脳味噌をこれでもかってぐらいとろけさす。ぐでんぐでんの締りのない顔をしたオレにちょっと拗ねたような顔をして、でも今日のメインディッシュは夕飯ですよ、なんて可愛いことを言う。先生に決まってるデショ。
そんなことを思いながら報告書を見る。暗部の育成?こんなの後輩に押し付けよう。大丈夫、アイツは暇だから。
次にアカデミーについてだった。武術の大会を他里の者を招いて行う。成程、中々面白い。やるだけでなく、観客を入れるのか。未来を担う子どもたちに命を奪わない真剣勝負をさせ、他里と交流をはかる。
昔、先生がしたいと言っていたことだった。
ようやく実現するのかと思い、なんだか感極まる。
発案者やスタッフ等には先生の名前なんて勿論ない。だけど幾度となくこの話を聞かされたオレにはまるで彼が話すかのように情景が浮かんでくる。
「これ、さっそくとりかかって。まずは砂のとこに話しかけてみて。会場は、こないだガイが変なコンサート開いたとこ、あそこ丈夫だしそれなりに人はいるからいいんじゃない?くれぐれも安全に配慮してね。当日は医療班も数人待機させて。それから出店。希望とってみてよ。それなりに手が上がるんじゃない?一楽にもちょっと声かけてみてね。最近おやっさん屋台作ったって言ってたから」
いいながら指示を書いていく。まだまだ言いたいことが沢山あって筆が止まらなかった。
ナルトのところのチビはいくつだっけ?あの子も出れたら楽しーよね。サクラとサスケのところも大きくなっただろうし、一度手合わせさせてみたいな。
「あ、最後はオレと戦うってのはどう?武術だけならオレもうオッサンだしいい勝負にならないかなぁ」
「まさか!片手一本もいりませんよ」
「そう?じゃあ片足のみで」
いいな。なんだか楽しくなってきた。
書けるだけ書き込むと担当者に渡した。
それを見てはぁーっと大きな歓声が上がった。
「ん?」
「いえ、先ほどイルカ先生に軽く話をした時、六代目とほぼ同じことを言ってましたよ。とくに一楽の屋台は熱心に話されて、そこの依頼は頼むなって何度も言われました」
「あーイルカ先生らしい」
「六代目が最後に戦うはさすがになかったですけど」
そう言いながらクスクスと笑われた。
「でも、やはり夫婦ですね。思考が似ておられます。夫婦は似るといいますが、六代目とイルカ先生は本当に一緒で、まるで二人で一人のようです」
その言葉に、昔の自分を思い出す。
完璧な彼と揃いになり、誰でもないオレ自身の感情で笑い、彼の見ている世界を見てみたいと願ったあの日。
あれから数十年たった。
オレは彼と同じ世界を見れているか、分からないが。
最後の文書は受付についてだった。
火影付きの事務官を削減し、イルカ先生がいなくなった受付に回したいという提案書だった。
「ん、これいいよ。前から思ってたけど五人もいらない、二人でいいよ。三人そっちに回して、週休二日制を徹底させてあげて。給料ももう少し上げたら希望者出るんじゃない?受付は里の顔だからねぇ。無理なく気持ち良く仕事させて」
「よろしいのですか。その、これまで以上に六代目に負担が・・・」
「オレは別に事務仕事好きだし、苦じゃないよ。だいぶ慣れてきて怠りもないし。・・・まっ、七代目はきっと事務仕事できないから上手く効率化できるようにするのが新しい仕事かなぁ」
そう言うと、部下ははーっと長く息を吐き、心の底から感服したように頷いた。

「さすが六代目。完璧ですね」


そう遠くない将来。
オレが引退して七代目、八代目となった時。
六代目は事務仕事が完璧に出来る人だったと言われるだろう。

誰も知らなくていい。
先生自身も分からなくていい。

事務仕事が完璧な火影。
それは先生がいたからだよ。
先生の功績だよ。

彼の名前は残らないが、彼の功績はオレの名前とともに残っていく。

誰も知らなくていい。
オレだけが分かっていればいい。

その功績はオレと先生の二人のものだ。
オレだけでは無理だった。
先生がいたから。
先生がいたから、できたのだ。
それはオレたちが二人で一つだという証拠のようで。
だからこそ唯一無二の完璧になれたのだ。

オレと先生は、二人で一つの完璧なのだ。
この完璧がオレたちの功績で、オレたちの愛の証だ。
それを歴史が、六代目火影という名前で将来永劫残っていくだろう。
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